2014/03/02

ジジェクのスピーチ(オキュパイウォールストリート)

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この本に掲載されていた、ジジェクのスピーチが面白かったので紹介します。


ジジェクの冷静な呼びかけと、「人間マイク」による拡散の様子のお祭り感の対比がとても面白いですね。
覚えておいてほしい。問題は不正や強欲ではない。システムそのものだ。システムが否応なく不正を生む。気をつけなければいけないのは敵だけではない。このプロセスを骨抜きにしようとする、偽の味方がすでに活動を始めている。カフェイン抜きのコーヒー、ノンアルコールのビール、脂肪分ゼロのアイスクリームなどと同じように、この運動を無害な人道的プロテストにしようとするだろう。私たちはもう、コカコーラの缶をリサイクルしたり、チャリティーに募金したり、スターバックスでカプチーノを買ったらその1パーセントが第三世界の飢えた子どもたちに送られるなどといったことでは満足することができない。だから、ここに来たのだ。
痛快で読みながら笑ってしまいましたが、集まった人の多くはお祭り的に盛り上がるプロテストを楽しみ、「偽の味方」の仕掛ける策をファッション的に消費する人たちでしょう。日常に帰ったのちに、彼らの中にジジェクの言葉がどれだけ残っているのかは気になるところです。

このスピーチはこんな言葉で締めくくられています。
私が唯一恐れているのは、私たちがそのうち家に帰って、年に一度みんなで集まってビールを飲みながら「あの時はよかった」などと語り合うようになってしまうことだ。そうはならないと自分自身に約束してほしい。人は何かを欲しながら、それを手に入れようとしないことがよくある。自分が欲しいものを手に入れるのを恐れないでほしい。
重要なのはどれだけ盛り上がったか、どれだけ人を動員したかではなく、日常に持ち帰る事のできるような変化を起こす事ができたのかですよね。

他にも安全と食料を求めて運動に集まってきたホームレスを排斥する話や、ドラムンベースの騒音問題をきっかけに運動が分裂する話も載っていて大変おもしろいです。

私たちは“99%”だ――ドキュメント ウォール街を占拠せよ

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