2012/05/13

マヤ暦と円環の時間・直線の時間

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「2012年世界滅亡」なかった! マヤ最古のカレンダー発見 -産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/life/news/120511/trd12051108050006-n1.htm

最古のカレンダーを調べたら「世界にはまだ7000年先があると考えていた」ことが判明。
終末論で人を煽っていた人たちがなんて言うのか見物ですね。
3月11日の地震はその前兆だ!とかドヤ顔で語ってた人けっこういましたよね。

それはそれとして、時間の捉え方として「円環の時間」と「直線の時間」というのがあります。
輪廻転生を当たり前のこととする昔からの日本的な時間感覚は、ぐるぐるとループするイメージなので「円環の時間」。
左手に過去があり、現在があり、右手に未来がある。という今の時間感覚は「直線の時間」と呼ばれます。
(過去と未来がどちらに位置するかは、文字を右から左へ書くか・左から右へ書くかによって変わるそうです。昔の日本人は未来を想像するとき左側を意識していたんでしょうか?)
「円環の時間」が「もし死んでも次があるからいいや」とお気楽になりやすいのに対し、「直線の時間」の場合は「死んだらおしまい」「辛いことはずっと続く」という風に閉塞感を感じたり、自分の生きている意味みたいなものを希薄に感じてアイデンティティ不安に陥りやすいです。
そのためキリスト教に見られるように、輪廻転生は死んでも認めない代わりに直線の時間の遥か彼方に終末を設定して、最後の審判で救済されるのである!と言う物語を用意して人々の不安を和らげようとします。「終末のある直線の時間」ですね。
(キリストの想像力を超えるほど人類の歴史が続いたので、ミレニアムは通り過ぎてしまいましたが)
日本人が「終末のない直線の時間」を生きながらアイデンティティ不安にも陥らずお気楽でいられるのは、表面上は「直線の時間」で世界を捉えながらも無意識のレベルで「円環の時間」を感じて生きているからだと思います。
アメリカ人に「あなたの前世は〜」と言った時の拒否反応たるやといった感じですから。
別に世界に誇る特殊な民族性の日本人マンセーみたいな話ではないですよ。

どちらかというと「円環の時間」の方が性に合ってそうだけど、7000年先に思いを馳せたマヤ人の想像力にはロマンを感じます。


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